「へ?」
まさかの言葉に間抜けな声が漏れた私。一方で、お母さんは「きゃー!!」と乙女みたいな声をあげながら私と詩優を交互に見つめる。
"お前のこともらってもいい?"
って聞いたのは…そ、そういう意味だったの!?
どんどん体温が上昇して、体が熱くなっていく…
お母さんは「顔を上げて、夜瀬くん」とやさしい声で言って、詩優は顔を上げる。
「夜瀬くんになら花莉を安心して任せられるわ。でもね、まだ結婚できる歳でもないでしょ?
まだ高校生なんだしそんなに焦らなくてもいいんじゃない?離れるわけでもないし」
「…でも、俺は…………え?」
離れるわけでもない…?
それって…どういう……
詩優も私も首をかしげてお母さんを見つめる。
「花莉の転校、取り消しておいたの」
と優しく微笑むお母さん。