「これ血のりだから。中に防弾チョッキ着てるし」
詩優はちらりとシャツの下に着ていたものを見せてくれた。
……じゃあ……さっきのは……
「花莉、俺の後ろにいろ」
詩優はすぐに真面目な表情になると、私の手を引いて背後へと誘導する。
そして、床へと落ちた拳銃を拾って……
銃口を倒れたままの海斗さんに向ける。
…!?
「…海斗。今すぐ鳳凰を解散させろ」
詩優の低い声が倉庫へと響く。
「………」
何も答えない海斗さん。
この場に緊張感が走って、私まで動けなくなる。
「…俺だって、総長に選ばれた時は不安でしかなかった。
俺も思ったさ。海斗や竜二の方が総長に向いてんじゃねぇかって」
詩優はゆっくり話し出す。
竜二さんも貴詞さんも少し驚いたような表情をしている……
おそらく2人も知らなかったことなのだろう。



