その声と同時にさっき倒れたはずの詩優が起き上がって、こちらにすごい速さで走ってくる。
そして、海斗さんを思いっきり殴った。
ドサッ
と倒れる海斗さん。
私は詩優を見て瞬きを繰り返した。
…本物……?
私は目の前の人物にそっと手を伸ばして触れた。
もし、触れなかったら…なんて考えたら怖かったけどちゃんと触れたから安心。
…お化けじゃない……本物の…
「…詩、優……っ!!」
私は起き上がって、詩優にぎゅっと抱きついた。
でも、抱きついた時に赤い血が手についてすぐに我に返った。
「…怪我してる……っ」
…しかもひどい出血だ。
腕や足、胸あたりからも血が出ている。
「…手当しないとっ!!!」
私がそう言うと、詩優はぽんぽんと私の頭を撫でる。
落ち着かせるように……



