保健室に移動して
ガラッ
とドアを開けると、とある人物と目が合った。そしたら強引に手首を掴まれてぐいっ、と引っ張られた。
「…っ…!!」
ベッドの上に投げ飛ばされる。
シャッ!とベッドを囲むようについているカーテンを閉められて、目の前の人物ともう一度目が合う。
黒髪に青メッシュ、いつもの眼鏡はかけていないけどすぐに誰だかわかった。
「……竜二さ…っ」
「…強引なことして悪かった。今、うちのクラスが外で体育やるところでな」
…竜二さんのクラスってことは…詩優と倫也もいるってこと……
「…妃芽は…体調でも悪いのか?」
「………いえ…」
私は起き上がってベッドの上に座り直す。
竜二さんも隣に腰を下ろすから不思議に思ったことを聞いてみる。
「…私と…話していいんですか……っ…それにもう私は…姫じゃないのに……」
自分で言ったことなのに悲しくなって目に涙が溜まってしまう。
「極力関わるなと言われただけで話すなとは言われてないからな。まぁ、今話しているのは秘密にしてくれた方が助かる」
だから竜二さんは見られないようにカーテンを閉めたのか……



