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放課後、詩優の部屋へと行く。



「…すぐ片付けるね」



詩優と目を合わせることができなくて、すぐに部屋へと向かって荷物を鞄に詰める。







コンっ




何かが床へと落ちる音。




音がした方に目を向けると、床に落ちたものは私が以前詩優にプレゼントした……あの、赤いイヤーカフ。




おそろいでつけようと言われて、私が1個もらったんだっけ…




結局1回しか付けてなかったや…




でも、これはもう必要ないよね。
…あとで捨てなくちゃ




そう思いポケットの中へとしまっておいた。




1つだけ、ではないけれど…捨てられそうにないのはみんなの写真。




詩優、竜二さん、倫也、京子、明日葉が写っているもの。プール清掃の時に名前も知らない女の子からもらったものだ。




…みんなのサイン、もらっておけばよかった……




後悔してももう遅いけど…




その写真を全てかき集めて鞄の中へと入れた。


















「バイバイ」




詩優には直接言えないから、私は部屋へと別れを告げた。