「風邪ひくから風呂入りなよ」




タンスからタオルとスウェットを出して、あの子の背中を押してお風呂場へと連れていった。




「これ洗濯乾燥機だから使って」




そう言って俺はリビングへと戻る。










少ししてからシャワーの音が聞こえてきた。




………想像すんな、俺。
自分にそう言い聞かせてひたすら無心になろうと努力する。




ドライヤーをテーブルの上に置いて、ただあの子が出てくるのを待った。

















「…あ、の……お風呂…ありがと……です…」




声のした方を見ると…




またまたドキン!と大きく心臓が跳ねる。




火照った頬、
濡れた髪、
ぶかぶかのスウェット





可愛すぎて直視できない。思わず顔を逸らして、




「ドライヤー出しておいたから…使って。俺も風呂入ってくるからさ。適当に座って待ってて」




それだけ言ってから急ぎ足でお風呂場へと向かった。