詩優は大きく呼吸すると、私のてをとって私の部屋に入る。 「…荷物まとめて帰ろ」 詩優の言葉に頷いて、バッグの中に必要最低限のものを詰め込む。 荷物をまとめ終えると、詩優はまた私の手をとって外に出る。 …ここから逃げ出せるんだ………やっと……長い間耐えてきたこの場所から…… …詩優が……助けてくれたんだ…… 気づいたら涙が溢れだしていた。それを止めることはできなくて… 詩優にしばらくぎゅっと抱きしめられた。 温かくて…安心する…… この人といたい…