詩優side




よく、『初恋は実らない』なんて聞く。
1年前までの俺は確かにそう思っていた。






___________1年前の入学式





ある女の子を見た時、一瞬で心を奪われた。
初めて、女の子を綺麗だと思ったんだ。




その子は目がくりくりしてて、綺麗なセミロング、ふわふわとした雰囲気の女の子。その子が通ると、周りの男がその子に視線を向ける。





「あの子めっちゃ美人じゃね?」




女好きの倫也ですらそう言うほど。




「…だな」




俺がそう返すと、





「竜二さん聞きましたぁ~?珍しいですねぇ~?夜瀬の総長さんが女の子に興味持つなんて~」





倫也はにやにやしながら竜二の肩をバシバシと叩く。
こういうことには鋭いんだよな…





「うるさい。馬鹿だと思われるから静かにしろ、倫也」


「え~?気になるじゃんか~!!俺たち暴走ぞ…んぐっ」





倫也の言葉の途中で口を塞いだのは竜二。その先を学校で言われるとさすがに大騒ぎになるから…
















俺たちは世界No.1の暴走族、"雷龍"。











それは学校では秘密。