自分の部屋に入ろうとした所で…隣の部屋の扉が開いた。




出てきたのは俊。




俊を見た途端体が強ばる…




まじまじと私たちを見ると、



「…花莉、もしかしてお前……男とヤるの楽しくなった?俺に感謝しろよ?」



と、笑った。



「…荷物まとめておいで」



詩優は私の背中を押して部屋の中に押し込んだ。



…詩優!?



ガシャン!という大きな音が響く…



そして…



「花莉はものじゃねぇんだよ!!!!!!!」



と言う詩優の怒鳴り声が聞こえた。




私は急いで部屋を出た。




詩優に殴られて横たわったままこっちを見る俊、まだ殴ろうとする詩優。



「詩優!!!もう大丈夫だから!!」



動き出す詩優に抱きついて止める。



「…もう…充分……」



…ここまで私を助けたくれる人なんていないと思ってた。私はずっとここで地獄の毎日を過ごすのかと思ってたから……



手を差し伸べてくれる人なんていないと思ってたんだ