世界No.1の総長と一輪の花









「花ちゃん、早速これに着替えて」




今日はバイト初日。
朱里さんから黒いスーツを渡されて、私は更衣室で着替える。




スーツなんて1度も着たことがなかったからなんだか大人になったような気分。





さらにメイクも朱里さんがしてくれて、丁寧にメイクの仕方も教えてくれた。
実は私は化粧品を持っていないわけじゃない。以前京子と明日葉、中学生組の3人と遊んだ時に京子からもらったプレゼント……あれが化粧品の詰め合わせだったんだ。





私が化粧をするのを拒否していたから使い方はまだ教えてもらっていなかった。











「花ちゃんの綺麗な姿、しーくんに見せたらイチコロだね!!」





パシャっ、とスマホで私の写真を撮る朱里さん。





「ぜっ、絶対詩優には見せないでくださいっ…!!」





詩優に見られたらバイトがバレてしまう…





「わかってるわかってる~!!見せたいな~って思っただけだよ!」





にこにこ笑う朱里さんは可愛くて、なんだか楽しんでいるように見えた。