詩優が走って戻って来て…
「…ごめんな……」
と頭を下げる。
「え!?まっ、待って!!助けてもらったのに…」
…謝られるのはおかしい気がする……
「…俺のせいで巻き込んだ……」
一向に顔を上げない詩優…
「…何回も助けてもらったのは私だよ」
両手で詩優の顔を挟んでぐいっと前を向けて視線を合わせる。
「…助けてくれてありがとう」
私がそう言うと…詩優は少し微笑んだ。
「……おう」
また抱きかかえられてバイクの後ろに乗せられた。
「俺、お前のこともらってもいい?」
突然言われたのは耳を疑ってしまうような言葉。
「え!?」
私が驚くのを見て、詩優がにっ、と笑う。
「帰したくない」
……カエシタクナイ?
「…」
詩優の言葉を理解するのに時間がかかった。
体温が急上昇して、顔が熱くてなる。
「いい?」と私の顔をのぞき込む詩優。
この人はずるい……そんなふうに聞かれたら断れるわけないのに……



