……何で……知ってるんだ…
…まぁ、ハッカーがいるんだからすぐわかるか…
「奏太はここで待ってろ。壮、行くぞ」
あいつは車からおりて、どんどん歩いていく。
俺もあいつのあとを追って、玄関チャイムを鳴らされる前に自分で家の鍵を開けた。
「俺が話つけてくるから、壮は荷物まとめて行く準備しろ」
「……」
あいつは強引なくらい俺の背中を押して、リビングへと向かう…
……本気なのか…?
俺は不安で、リビングの扉の前で聞き耳を立てた。
両親どちらも初めはあいつにびびっているような声が聞こえてきた。
…それは当たり前だと思うが……
知らねぇやつがいきなり家に来たんだから…
「今日から壮の兄貴になった夜瀬詩優といいます。
突然なんだけど…壮のこと、兄貴として俺が育てるんで、もらってくから」
あいつの少し低い声が聞こえる。
怒りを含んでいるような声が……



