「奏太くんと壮くんのせいで抗争が始まったとなれば雷龍はどんな顔するかなぁ?」





「………てめぇ」





ぎゅっと拳を握りしめて、ただ黒木を睨む。
さすがの俺たちは黒烏の総長と、幹部には喧嘩で勝つことができないとわかっているから………






「雷龍の総長に電話でもしてみろよ。『助けて』って。まぁ、こんなことされて抗争でも起きれば助けに来れねぇだろうけど。

所詮俺らと同じで遊ばれてんだわ、奏太くんと壮くんは」






「…そんなこと……っ」




「…雷龍は………」






"そんなことない"、"雷龍はお前らとは違う"って素直に言えないのは、きっとあいつが俺らのことを信用していないと思ってしまったから。






あの写真を見てどう思ったのだろう。
俺らのせいで抗争が起きたらどう思うだろう。






ただ、厄介なやつだって……
雷龍に入れなければ良かったって……
あいつは思うんじゃねぇのか……





「世界No.2とNo.3の暴走族が手を組んだら、さすがの雷龍も潰れるだろうな」





嫌な汗が背中を伝う。