「久しぶりだね、元気にしてた?」
にこにこと話す男。
この笑顔で俺らに近づいて、俺らを黒烏に引き入れたんだ。最初から何で作り笑いだということに気づかなかったんだろう。
ふつふつとあの頃の怒りが蘇る。
「「……」」
「は?無視?」
一人の男はとてもにこにこしているけど…
周りの4人は不機嫌そうにしている。
「チッ」
しまいには舌打ちまで聞こえてきた。
「……行こうぜ、壮」
こんなやつらに構ってる時間は無駄。殴るのも無駄なんだ。
だから早くここから移動しねぇと…
足を進めたところで、それを阻止するようにあいつらが俺らを囲む。
「黒木さんからの伝言預かってんだけど」
気持ち悪いくらい笑顔で話す男。
「…俺らにはもう関係ねぇだろ」
もうやめた族だ。何を今更……
「"雷龍のスパイは上手くやってるか?早く戻っておいで"だとよ」
……この瞬間、プツン、と何かが切れた音がした。



