「…壮の仇、俺がとる」
「奏太!!!」
今度は俺が交代して、100円玉を投入。
レバーを動かしてアームを移動。キャッチボタンを押して
ぬいぐるみをアームが挟む。
……ここまでは順調。
壮も俺もドキドキしながらぬいぐるみを見る。
上にアームが戻って、そのまま取り出し口に近づいていく途中で
ぽとり、とまたぬいぐるみが落ちた。
「「………」」
「……っていうか何で俺らあいつの嫌がらせのためにやってるんだろうな」
「…確かに」
よくよく冷静になればこう思う…
断じてあいつに誕生日プレゼントをあげようとしていたわけではないのに…
「……でも、あと1回」
「………1回ずつやるか」
なぜこんなことを思ったのかはわからない。でもここで諦めるのもなんか嫌だったんだ。



