私に顔を近づけていた真理亜さんを押しのけて、優しく微笑むもう1人の女性。




その笑顔が綺麗すぎてドキリと心臓が跳ねた。




「私(わたくし)は紅蓮の姫、和泉 氷菜(いずみ ひな)と申します」




黒地に真っ赤なハスの花が咲いている着物を着ている。髪は綺麗なストレートの黒髪で、背中まである。





美しい女性とはまさに氷菜さんのこと…





「…ら、雷龍の姫、ひ、妃芽乃 花莉です…っ!」





私は慌ててぺこりと頭を下げた。





「何するんや!!!和泉氷菜!!!!」





真理亜さんが起き上がって氷菜さんに言うけれど、氷菜さんはそれを全部無視。ぎゅっと私の右手を握って、




「同じ姫どうし仲良くしてくださると嬉しいです」




と微笑む。




「ちょっと待ちぃや!!!!花莉ちゃん、うちとも仲良くしてや!!!!」




真理亜さんが私の左手をぎゅっと握る。





「こっ、こちらこそっ!!」





同じ立場に置かれた者どうしならいろんなことを聞くことができそうだ…!
姫としてもっと勉強できるかもしれない…!!