「こたつでタコパしよ!」


倫也さんがそう言って私の肩に手を置いてこたつがある和室まで連れていく。


「ロシアンたこ焼きでいいよな」



と言った詩優は何だか楽しそう。



…ロシアンたこ焼き?




私を座らせると、倫也さんは目の前に座って私をじっと見つめる。



真剣に見つめられ、思わず目を逸らしてしまう…



…何か聞きたいことでもあるのかな






ちょうどいいタイミングで


ピルルルルルルル、とスマホの音が鳴る。



スマホに表示されているのは"非通知"



いつもなら出ないけど…この場から一時的にも逃げるために「ちょっと失礼します」と言って部屋の外に出る。



「…もしもし?」


『君が妃芽乃花莉ちゃん?』


電話に出たのは男。こんな声の人は知らない…


「…いえ」


『バレバレの嘘つかなくていいよ。今夜会えない?』


「…無理です」


『5万でどう?』


ブチッと電話を切った。俊が私の電話番号を教えたのだろうか…



戻ろうとした時、またピルルルルルルル…とスマホが鳴る。



また"非通知"からの電話



すぐに通話拒否をタップする。



しかしまた…ピルルルルルルルと鳴り響く…


スマホ画面には"非通知"と表示される


通話拒否をタップしてスマホを着信/通知音量をオフにした。



「はぁ…」とため息をついてこたつに戻る。