次に目を開けると、私の横に詩優はいなかった。




ゆっくり起き上がってると、腰は痛いがしっかり立ち上がることができた。




…今日学校だ……




床にあった下着を付けて、制服を着る。ブレザーを着ようとしたところで、ポケットに重みを感じた。




ポケットの中を確認してみると、白いスマホが1つ。私はすぐに昨日のことを思い出した。





"俺を選んでくれるのであればこのスマホから連絡して"




冬樹くんにそう言われてこのスマホをポケットに入れられたんだ。




もちろん今同じことを言われたら、迷わずに断る。




だから今の私には冬樹くんに対する罪悪感しかない…あの時、一時でも冬樹くんを頼ろうとした自分がいたからだ。




スマホをじっと見つめていると、「起きた?」と詩優の声が後ろから聞こえてきた。




後ろを振り向くと、黒いスーツに身を包んだ詩優と目が合った。




ワイシャツのボタンをは第3ボタンまで開けられていて、黒いネクタイは緩く閉められている。




わざとかはわからないけど…その襟元からは私がつけたキスマークがちらりと見える。





さらに、髪はオールバックでいつもよりも大人の男の雰囲気を纏う。





……高校生に見えないんじゃないかってくらいすごくかっこいい。