「もし良かったらだけど…連絡先、交換しない?」
詩優はスマホを取り出す。
「…うん!」
私もスマホをポケットから出して、連絡先を交換した。
電話帳……今まで京子1人しかいなかった。それが悲しかったわけではない。大好きな京子の連絡先だから…
でも…今日2人目の連絡先"夜瀬 詩優"の文字……素直に嬉しかった。
「…何か困ったことがあったらすぐに連絡して。あと知らない人にはついて行かないこと。わかった?」
私の目を真剣に見つめる詩優…
「…気をつける」
…お母さんみたい……思っても言わないけどね。
「おう!」
また大きな手で頭を撫でてくれる。
温かくて安心する手…だな…
ピンポーン♪
玄関のチャイムが鳴る。
「…もしかして……」
詩優はため息をつきながら「ちょっと待ってて」と言って立ち上がる。
玄関のモニターを見て、「今先客いるから帰ってくんね?」と言った。
……お客さん…?