私を見るなりいきなり抱きしめてくる詩優。頭には包帯を巻いている。
「好きだ」
開口一番にその言葉を口にした詩優。2日ぶりに会う詩優は何だか久しぶりのような気がして、これが夢なのではないか…と疑ってしまう。
詩優の背中に手を回して、よく存在を確かめるようにぺたぺたと触った。
…本物……
…え…じゃあ…今のって…
告白…!?
「…あー…ごめん。まずは…ただいまって言うべきだよな」
私を抱きしめながら詩優はぽんぽんと頭を撫でてくれる。その手が温かくて安心する。
「…おかえり」
ぎゅっと詩優を抱きしめ返して私はそう返した。
「花莉、よく聞いて」
「…うん」
「好きだ。俺と付き合って」
瞬間、ドキドキと胸が高鳴って体が熱くなっていく。
詩優は私のことを離すと、目を合わせる。まっすぐすぎる瞳に吸い込まれてしまいそうだ…
私の次の言葉を待っている…
返事…返事しなくちゃ……
ぽたり、と涙が溢れ出した。
「……わ、私も…詩優が好き…」