八王子くんがいなくなってからすぐに、部屋の扉が開いた。



私は目だけを動かして扉の方を見ると、中に入ってきた人物を見て安心した。




「花莉!!!!」



私の方に駆け寄ってきてくれる彼は私の大好きな人…




詩優だ。




頭には包帯を巻いている…しかも白い包帯が血で赤くなっていた。




詩優に触れたくても体が動かない…



詩優は私のそばまで来ると自分のジャケットを脱いで私に被せる。



「遅くなってごめん…もう帰るぞ」



詩優が私を抱きかかえようと背中と足に触れた瞬間、





またビリビリとした電気が走る。





「…や……ぁっ…!!」





恥ずかしい…詩優にまでこんな声聞かれて…




ぽろぽろと涙が溢れた。




「…ごめ…お願いだから…今…私に触らないで…」




本当は詩優にこんなこと言いたいわけじゃない。こんな体じゃなきゃ触れてほしいくらい…