世界No.1の総長と一輪の花








あれから俺は、鳳凰の動きを見つつ奏太と壮を探す毎日。



あいつらの学校に行ってもどうやらさぼりらしく、いつもいない。



…やっと見つけたと思ったら2人は傷だらけで、コンビニの外でアイスを食べていた。



「お前ら喧嘩したの?」



バイクを止めて、2人に近づく。近づいた瞬間、すぐに奏太に警戒された。けど、壮はわざわざ俺に近づいてくる。



「ちょっとねー。俺らもいろんな族に大人気だからさー」



なるほど。こいつらを欲しがってるのは俺だけじゃねぇってことか。




「雷龍入れば俺が守れるけど?」




挑戦的な笑みを浮かべる俺。それはこいつらが、そう簡単に頷くわけないとわかっているから。




「自分の身は自分で守るからへーき」



壮はへらへらしながら返してくる。一方、奏太は「チッ」と舌打ちをして俺を睨んだ。




「入りたくなったらいつでも来い」



2人の頭をわしゃわしゃと撫でるとすごく嫌そうな顔をする。




「……族なんてただ暴力奮うだけの集団だろ」




奏太が低く、小さな声で呟いた。




「雷龍は基本的に守るための戦いしかしねぇよ」




むかついたから殴るなんてことは絶対しねぇし。雷龍はそこら辺にいるようなチンピラじゃない。