詩優side




最近鳳凰の動きを調べたり、鳳凰のやつらに喧嘩売られた雷龍のメンバーを助けに行ったりで忙しい日々が続いた。



はっきり言って雷龍は今、人が少ない。3月に卒族したメンバーが25人、それに比べて入ったのは0人。



このままじゃやばい。そう思って竜二と俺の2人で新メンバーも同時に探してた。雷龍に入りたいって言うやつならこの世界にはたくさんいるだろう。



でも強い意志がねぇやつは絶対入れない。あとは直感でほしいと思った人材じゃねぇと……




だからこれは本当に直感。




「お前ら、暴走族に興味ない?」




俺が声をかけたのは中学生…だと思う。顔が少し幼くて、学ラン着てる2人組。



本当についさっきまでこの中学生2人組がなんと10人くらいの男たちに囲まれていた。俺はそれを助けようと思って立ち止まったけど、心配不要だったみたいだ。



この2人組はあっという間に自分たちを囲んでいた男を倒していったのだから。



「……誰だ…あんた」



藍色の髪の少年が俺を睨む。



そりゃそうだ。見ず知らずのやつに声かけられてんだから。




「…あ!!!!こいつ…!!雷龍の総長!!」




俺を指さして大声を出した茶髪の少年。正体に気づいても2人とも俺を見て怖がっているようのは見えなかった。