中学生でみんなは暴走族に入ったんだ……すごい実力だな……




「雷龍に入ってから俺たちは1番隊に入って、京子はハッカーとしての実力を発揮した。

この頃の槇村は勝手に行動することはあっても詩優がストッパーになってたからまだ大丈夫だった」




"まだ"



その言葉が引っかかる。




「でも中三の春休みくらいに詩優が総長になって、俺が副総長に、槇村、倫也、明日葉、京子は幹部になった頃から…


槇村は誰彼構わず、いろんな族に喧嘩を売りまくるようになった。なんでいきなりそんなことをし始めたのか、俺にはわからないけど…」




少しずつ竜二さんの声は穏やかじゃなくなってきて、海斗さんへの怒りがあることがわかった。




「それからだ。それから槇村が喧嘩売った族が雷龍からの宣戦布告だと思われて抗争……つまり族の争いが始まった。


槇村は怖いくらい楽しそうに戦ってたのをよく覚えてる。あいつは怖いもの知らずのバカだ」




竜二さんはため息を1つこぼしてから、また口を開く。




「だから世界No.2の"鳳凰"にまで喧嘩を売ったんだろう。

いくら世界No.1の族が雷龍とはいえ、その次に強い族、鳳凰に喧嘩売ったらただで済むわけがない。


鳳凰じゃない、他の族との戦いも同時にあって……メンバーの中には大怪我するやつまで。しまいには耐えられなくなって族をやめていくやつまで現れた」




……そんな…




「それを見かねた詩優が槇村を止めたけど……そんなんじゃもう止まんないくらいに槇村は狂ってた。


だから詩優は雷龍がこれ以上崩れないように……槇村を雷龍から追放した」