「んっ……!」
連続で落とされるキス。私に唇を重ねるのは詩優だ。
なんでキスされてるのかって?そんなの私が知りたいくらい。マンションに戻った途端にキスされたのだ。
「…八王子に…手ぇ出されたんだって?」
やっと唇を離したと思ったら低い声で詩優が言う。まるで…怒ってるかのように…
……手…出された…?
「……………何言っ…!」
私が言い終わるのを待ってくれず……すぐにまた唇を重ねられた。
苦しくなってどんどんと詩優の胸を叩いても唇を離そうとしてくれず、しまいには自分から離れようとした。けど、詩優はそれを許そうとせず私の頭を押さえつけてキスを続ける。
酸素がなくて苦しいのに……私を殺す気なのかこの人は……
詩優の胸を強くどんどんと何回も叩いて、叩きまくったらやっっっっと離れてくれた。
はぁはぁ…と息を乱す私の腕を引いて歩き出す詩優。
「…お前手ぇ出されて嬉しいの?それともあーいう男がタイプ?」
とん、と背中を押されて部屋の中に入れられた。そこは詩優の部屋で…
……なんでこんなに怒ってるの…?なんでそういうこと言うの…?
「………そもそも手なんて出されてな…」
また言い終わる前に肩を押されて…気づいた時には背中に柔らかい感触があって、目の前は白い天井。
ぎしっとベッドが軋む音がする。詩優がゆっくりと私に覆いかぶさって、熱い手で頬に触れた。
そこで私は気づいたんだ。今、自分は押し倒されているんだと……



