倉庫の中に戻ってゆっくり2階に上がると、




「あ、ちょうどいいところに。花莉にもこれあげる」




京子に手渡されたのは小さなアイスキャンディーだった。



「ありがとう!」



小さな袋を破って、キャンディーを口に入れるとすぐに口内の熱で溶けて甘さが広がった。ソーダ味でとても美味しい。



「詩優が花莉のこと小動物っていうのわかる気がする」



京子が、私の頭をよしよしと撫でてくれる。



……小動物……詩優にも何回か言われたけど……私人間なのに…



心の中はなんだか複雑な気持ちだ。頭を撫でてもらえるのは素直に嬉しいけど…




「詩優なら総長室に入って行ったから、寂しくなったら会いに行っておいで?」



にやにやして奥の部屋を指さす京子。



…あそこの部屋総長室だったんだ………



1度だけ入れてもらったっけ。それで確か……詩優とベッドで寝たんだ……



思い出すと少し恥ずかしくなる。何もされてないのに………



ってこれじゃあ詩優に何かしてほしかったみたいじゃないか…




そもそも…総長室なんだから私が簡単に入っていい場所でもないような…




とか考えたらどうしても行くことが出来なかった。