「花莉が雷龍の姫だから。手ぇ出したやつ、ただじゃ済まさねぇから…覚悟しろ」



ぐいっと詩優に肩を抱かれる私。詩優の声が教室中に響いて、また女の子たちの黄色い声がする。



っていうか今………"雷龍"って言った?



「また昼になったら迎えに来る」



詩優が私の耳元でそう言うと、すたすたと歩いて教室を出ていった。



途端にうるさくなる教室内。みんなの視線がこっちに集中したままで…




「今まで私が雷龍の情報とか学校に出ないようにしてたんだけど…2日前くらいに高城雅が学校に来てね、あの子がいろいろ話してくれたみたいでバレちゃったのよ。


雷龍の総長とか、幹部とか」



京子が小声で私に教えてくれた。



……そんなことがあったなんて…



「今ねー、学校内にいるほかの族のやつらに喧嘩売られまくってて危ないからさぁー。花莉と京子はあたしから離れないでね?」



明日葉がにっ、と笑う。



……それってかなり危ないんじゃ…




「大丈夫大丈夫!雷龍は強いんだから!!」




自信満々に言う明日葉に私はこくんと頷いた。