……あれを誰かに見られてたのか…
花莉にだけは誤解されたくねぇのに……


「ホテル街にいたのは事実だけど入ってねぇし、してねぇよ。そもそも無理矢理連れてかれただけだし……その後雅の家に行ったけど先々代と話したくらいだ」


事実を話した。信じてくれるかは花莉しだいだけど…



「……嘘言わないで………もう帰ってよ……お願いだから…」



「花莉。お前のこと誰にも渡す気もねぇし手放す気もねぇ。無理矢理にでも連れて帰る」



花莉の熱い手を掴んで、俺の方に体を引き寄せる。



ん?まじで……体熱くね…?



花莉の頬に触れてみると、ほんとに熱い。絶対熱ある……


バイクに乗せる…にしても落ちないか心配だし……タクシーにしてもこんな格好で乗せるわけにもいかない。


「……離して…」


口ではそういう花莉だけど、体は全然抵抗しない。熱で力が入らないのかも…


俺はスマホをポケットから出して、康に電話をかけた。ワンコール目ですぐに出てくれて、


「ごめん、康。バイクがのりそうなでかい車で迎えに来てくんね?」


『わかりました。すぐに向かいます』


場所を伝えると、電話を切った。


地面に落ちている花莉のブラウス、リボン、ブラジャーを拾って、「着て」と手渡した。


どのみちそんなんじゃ車に乗せられない。


花莉は素直に受け取るから大丈夫だと思ったら……俺の目の前で上着を脱いだ。上半身裸なのに……


「………アホ」


俺はすぐに後ろを向いた。っていうか今の花莉には恥じらいとかねぇのかよ…