帰りの車。後部座席にはなぜかセーラー服姿の雅さんがいた。


「すみません…」


申し訳なさそうに謝る康さん。詩優は


「行き先を倉庫に変えて」


と言うと私を助手席に乗せてくれた。


後ろからは詩優と雅さんの声が聞こえる。


「くっつくな!!」


「え~!照れないでよ~」


そんな声が聞こえる度に居心地が悪くなる。バックミラーから2人の様子見えるし…


私は俯いてただ早く倉庫に着くことを願った。


詩優は私と雅さんを隣同士にして気まづくなることを防いでくれた。その優しさは本当にありがたい。だけど…詩優と雅さんが2人でいるのも嫌なんだ…





倉庫までの距離がやけに長く感じた。到着した途端に私はすぐに下っ端たちの方に逃げた。


「姫さんこんにちは。良かったらこっちで話しませんか?」

私に声をかけてきたのは銀髪のつり目の人。今までに何回か見かけたことはあったけど実際に話したことはなかった。


「ここどうぞっす!」


10人くらいの人たちが丸くなって座っているところに、緑髪の人が私の場所をつくってくれた。


「バカ!!姫さんを地面に座らせる気かよ!!椅子持ってこい!」


銀髪の人が指示を出すとすぐに椅子が出された。しかも10人が囲っている真ん中に…


「さっ!どうぞっす」


座るように促されるけど、私は「ここで大丈夫です」と緑髪くんがあけてくれた場所に座った。



「おい!!菓子持ってこい!!」


「ラジャっす」



今度は椅子の上に大量のお菓子が広げられた。甘い系からしょっぱい系まで。