「待てよ!!危ねぇだろうが!」



後ろから追いかけて言う詩優。



「来ないで!!アイス溶けるから!!!」



私は全力で走って、止まらない。



「アイスなんて溶けたらまた冷やせばいいじゃねぇか!!!」


……もっともな意見ですとも…すでに溶け始めてるし…



「私は今食べたいの!!!」



「じゃあ止まれよ!!!」



「やだっ!!!!!」



康さんの車の周りをぐるぐるぐるぐる走る。



さすがに息が上がってくる……体力がないからきつい…



「止まれ!花莉!!」



「やだっ……そもそも詩優には関係ない…!」



「関係大あり!俺が花莉に惚れてるから」





その言葉にピタリと足を止めてしまった。




アイスを持っていない方の手を掴まれて、ぐいっと手を引かれた。




「……こんな時にひどいよ……アイス溶けてるし…」



「ごめんごめん。今度アイス買ってやるから」



「…ばか」