以前バイクの後ろに乗った時よりもスピードが出ている……
振り落とされそうで、ぎゅっと詩優にしがみつきた。
高層マンションに着いて、バイクから下りると
また手を引かれる。
「…詩優?」
エレベーターに乗って最上階へ…
そして部屋に入ったところで……
詩優に抱きしめられた……
強く、強く………
「……あいつはただの先々代の総長の孫で………俺があいつのこと好きとかじゃないから……」
詩優が口を開いた。
「……………………倫也に聞いたよ……」
「……そっか…」
~♪
タイミング悪く曲が鳴り出す。私のスマホではない音。
……詩優のだ。
「……ごめん」
と言って私を離すと、ポケットからスマホを出す。
「……もしもし」
詩優は一旦外に出ていった。
まだドキドキが止まらなくて……体も熱い……
少しして中に戻ってきた詩優
「……ごめん。俺まだやること残ってるから行ってくる」
少し寂しそうな顔……そんな顔されたら引き止めてしまいそうだ。
「……行ってらっしゃい」
笑顔で送り出そうと思ったのに、上手く笑えなかった。
そんな私を見てか、詩優はぽんぽんと頭を撫でてから行ってしまった。