パシッと手首を掴まれて……
振り向くと
雅さんから離れた詩優……
「…"じゃあね"ってお前……どこ行くの」
心配そうな表情……
掴まれたところが熱い。
「…え?……えと……帰ろうと…思っただけで……倫也と明日葉が送ってくれるから大丈夫…」
さっきまで下しか向けなかったのに…今はもう詩優の目を逸らすことができない。
「…俺が送る」
詩優が私の手を引いて歩き出す。
…え?え?え?
一瞬のことで現状を把握できない……
「乗って」
詩優にヘルメットを被せられて、バイクの後ろに乗るように促される。
「………えと……あの………」
私が乗らないでいると、抱きかかえて無理矢理バイクの後ろに乗せられた。
……なんで…………………
「しっかりつかまってて」
と詩優が言うと、バイクは走り出す。