振り向いてみると、そこには制服を着た男子生徒が。
……地元の学生さん?

「は、い」

恐る恐る返事をすると、その男子生徒は私の顔を数秒見つめて言った。




「…やっぱり、あの時の…」

あの時?
え、私のことだよね?

会ったことあったっけ?
私北海道きたの初めてなんだけど…。



人違いじゃ、と言おうとしたその時

「転んでたところを助けてくれた方…っすよね」






…………あ!!!

思い出した!
この人この前自転車で転んでた人だ!



それにしてもあまりにも自然だったから気にならなかったけど…髪が、金色ダァ。

あ。ピアスもしてるゥ。
あ。見た目ヤンキーだァ。


彼の後ろにいる集団も制服を着崩していたり、髪を派手に染めていたりと………不良っぽい。




「あの時は…その、ありがとうございました」



そう言って金髪の彼はぎこちなく私に頭を下げてきた。

…ええ子や。





「いいえ。怪我大丈夫でしたか?」

「あ、大丈夫っす。…あと、ハンカチ返したいんすけど……今なくて」

「いいですよ!元々あげるつもりで渡したので」

「いや、それは悪いっす……西京高校、っすよね?
俺、誠学なんで今度届けに行ってもいいです、か」




誠学……。あぁ、確かにあの制服は誠学だ。

そっか、ご近所さん学校だったのか。

でも黒髪オンリーのうちの高校に金髪の彼が来たらとても目立ってしまう。



そう思い、こちらから取りに行くことを提案し、納得してもらった。




そのあと彼らも修学旅行で来ていることや名前を聞いた。

金髪の彼の名前は
神谷 京 くんというらしい。

年は私と同じ17。



『っす』が多い神谷くんだが、とてもいい子で最後はお辞儀をして去って言った。





待たせてごめんとみんなの元へ戻ると、あからさまにマイとミユがニヤニヤしていた。

ああ、面倒くさくなりそう。