愛くるしいコウくんと戯れていると

「こなお姉ちゃん、…んっ」

そう言って私に向かって手を伸ばしてきた。

きゃわっ!!!



抱っこを要望され、光の速さでコウくんを抱き上げる。恐る恐る頭を撫でると、とても気持ちよさそうに目を閉じるコウくん。

はぁ、天使。髪の毛ふわふわ。

どうしよう、ずっと撫でていたい。


ふと、チラリとソファーに座っている七瀬くんを見ると、七瀬くんとちょうど目があった。




「ね、言ったでしょ?
コウ、橘さんのこと好きそうって」


頬杖をつきながら満足気な様子。





「…なんで私?」


「んー
昔から俺とコウって好みが似てるんだよね」


「……」


「俺が好きな食べ物はコウも好きだし、遊んでたおもちゃも同じだし、ね?」


「……そ、うですか」






反応に困ることを言われてしまい、ぎこちない返事しかできない私。




それでも体がむず痒くなって、コウくんをぐりぐり抱きしめれば、なぜかお気に召したようでえへへっと喜んでくれた。




それでもやっぱりコウくんの一番は七瀬くんのようで、彼が「コウ、おいで」と言うとあたりに花が飛び散りそうなくらいの満面の笑みで七瀬くんに抱きつきに行ってしまった。



本当に仲が良いんだなあ。







しばらく経ってから

「こなお姉ちゃんもおいでよ」


とコウくんの気遣いにより、私もソファーに座りコウくんを真ん中にして3人で彼の気に入りのDVDを見た。




DVDを見ながらはしゃぐコウくんを優しい目で見つめる七瀬くんを見て、こんな顔するんだと新しい発見ができた。



うん。七瀬くんはいいお父さんになりそうな感じがする。