俺はすぐに食べ終わり、二階の自分の部屋に向かうためにもう一度居間に入った。 やっぱり家族は一言も話さない。 テレビの音声だけが聞こえる、さびしい部屋だった。 俺が居間から出ようと扉に手をかけた時。 父親の小さくつぶやく声。 俺に話かける様にではなく、一人ごとを言うかのように言った言葉。 「また喧嘩してきおって。本当に我が家の厄神だよ。」 言われ慣れた言葉だったから何とも思わなかった。 俺はその言葉を無視して、扉を開けた。 俺が扉を閉めて部屋から出た時に聞こえた言葉。