恋愛王子の落とし方

あれは宮島くん?

私のために笑ったり泣いたりしている。

あ、こっちにくる。

宮島くんがこちらに手を伸ばしてきた。

私はなぜか手を取ろうとした。

「宮島くん!!」

でも、取れなかった。

そのまま私は蟻地獄のような穴に吸い込まれていく。

宮島くんは何かを叫びながら必死に私に手を伸ばしてくれている。

取りたい。

あの手を取りたい。

私も必死で手を伸ばす。

そして、ついに手が届いた。

でも、砂の勢いが強すぎて手は離れ、砂の中に飲み込まれてしまった。