「帰った方がいいわね」

ここで休むよりは家の方がいいと思い、帰らせることにした。

「え、でも…………」

「大丈夫、草本くんに言ってくるから」

ヒナタには帰り支度してもらい、私は体育館へ向かった。

「草本くん！」

練習中の草本くんに声をかけた。

「ヒナタ帰らせるわ。色々ありがと」

「七瀬は？」

私？

「一緒に帰ったら？」

「でも………」

「一緒に帰った方が宮島、元気になるぞ。それに辛い時って大事な人がいた方がいいだろ？」

け、経験者のような口振り。

何かあったのかな？

「………分かった。お先、失礼するね」