恋愛王子の落とし方

「これって…………」

手作りだけに驚いた訳ではない。

私の好物の苺のショートケーキを作ってくれたからだ。

「まさか」

「覚えてたよ」

いつか、ヒナタに言ったことがある。

私は苺のショートケーキが好きだって。

それを覚えててくれたんだ。

「ありがとう………」

こんなにも私のことを好きでいてくれて。

私が拒否してた恋を教えてくれて。

そこにはじわじわとくるものがあった。

言葉では表せられないわ。