「ヒナタ!」

後ろ姿を見つけて思わず叫んだ。

「先輩、大丈夫ですか?」

「ええ。それより、運んでくれてありがと」

「これぐらいどうってことないです」

ヒナタのそういうとこが。

「何度も助けてくれてありがとう。なんで私の家を知ってたの?」

家の近くまでしか送ってもらったことないのに。

もしかしたらって思った。

「それは…………なんとなくですよ」

はぐらかされた。

「本当のこと教えて」

どうかヒナタが…………ヒナちゃんでありますように。