恋愛王子の落とし方

近くのカフェに行って宮島くんと話した。

「さっきは混乱させてごめんなさい。私の卓球魂が許さなくて」

「あー、いいですよ。俺的にはめっちゃ嬉しかったし、楽しかったから」

「そう………」

アイスティーを飲みながら、横目でちらっと宮島くんを見た。

こいつは嘘を言ってないようだ。

「ありがとう」

笑顔で言うと、宮島くんは固まり、動かなくなった。

「遊びに行く意味なくなりましたね」

誤魔化すように宮島くんは口を開いた。

「そうね」

「せっかくだし、遊びましょう?」

宮島くんはどうしても遊びたいんだな。

「…………いいけど。友達と遊んでる?」

「はい!毎日のように遊んでます!」

何の曇りもない宮島くんの表情は晴れ晴れしい。

こういうのってほっこりするな。

「どこ行く?」

「そうね、図書館は?」

ありきたりだし、宮島くんには似合わない。

嫌がるかもと思ったのに案外、

「行きたい!借りたい本があるんすよ」

本、読むんだ。