それから、私達3人はショッピングモールに行った

さっきからずっと美麗が蓮斗君に話しかけていた

私はその光景を見てるだけ

私も話したいな………

ズキ

胸にまた違和感を感じた


朝からなんだろう

「ちょっと、お手洗い行ってくるね」

私は個室に入り、鍵を閉めた

胸を見てみるが、胸はなんともなっていなかった

さすったりしてみてもさっきみたいにはならない

私が思い当たる節を考えてると

個室の外から

「貴方って馬鹿なの?」

そんな声が聞こえてきた

「えっ」

私は個室の外で喧嘩でもしてるのかと思い

「ど、どうしよう…」

出るタイミングを失い、困り果ててると


「はぁ……アナタよ!近藤彩奈!」

ため息の後に聞こえてきたのは私の名前


「えっ、私の名前…」


でも、この声に聞き覚えがある

しかも、トイレ……

「あっ!花子さん!?」

「やっと思い出したのね」


学校で会った、花子さんを思い出した

「なんでここにいるの!?」

「私はトイレならどこでも現れることができるの」

やっぱり、花子さんって本物だったの…?

私が考えてると

「それより、貴方いいの」

「な、なにが?」

「蓮斗の事好きなんでしょ?」

「はっっ!!?好き!?」

「だってそうでしょ、蓮斗といる時だけ心臓に違和感を感じない?」

「あれって……ただの胸の痛みじゃないんだ」

個室の外からため息が聞こえた

「そんな事もわからないの?
蓮斗の事が好きなんだよ!
美麗に邪魔されてるのも気づいてないようね」

「え、邪魔されてる?」

「やっぱり気づいてないようね
貴方が蓮斗と喋ろうとすると美麗が話しを遮って話かけてくる」



たしかに………

私が話しかけてもすぐに話しが美麗の話しになっちゃうし


「分かった?
美麗に負けたくないなら私の所に来るのもアリよ?「」

「私をキレイにしてくれるの?」

「出来るわ、ただしアナタの大切なものをひとつ引き換えだけどね
じゃ、本当に辛くなったらいらっしゃい」

そう言い気配が消えた


私は蓮斗君が好きなんだ……

人を好きになった事がなかったから
この胸のざわめきにも気づかなかったんだ

よし、この遊びが終わったら
美麗に言おう、蓮斗君が好きだって

美麗はただ仲良くなりたいだけだから
応援してくれるよね…?

私はお手洗いを出て、2人がいるフードコートに向かった


「どこだろ?」

私が辺りを探してると、蓮斗君らしき後ろ姿が見え近づいた

「2人ともお待た………せ」


蓮斗君が目を見開いてる

美麗が勝ち誇ったように笑ってる

2人は……2人が…キスをしてた

映画とかドラマでしか見た事ないキスを


「あ、彩奈遅かったじゃーん、」


「あ、う、うん……」


「あ、彩奈ちゃん…!
これは違うんだ」


蓮斗君は明らかに同様していたが


「もう!何言ってんの?
私達付き合うんでしょ?」

と美麗が蓮斗君の腕に自分の腕を絡めた


私は頭の中が真っ白になった


なんでなんでなんでなんでなんでなんで


「な、なんで…?」


「あ〜、私前から蓮斗君の事気になってて
彩奈が仲良いって聞いてラッキーって思ってね
彩奈ありがとう〜」


「ほ、本当なの?蓮斗君」

私は蓮斗君の方を見た、蓮斗君は目を泳がせてゆっくり頷いた

「つかさ、なんで彩奈ショックとか受けてんの?もしかして、蓮斗君の事好きだったとかぁ?」

私は恥ずかしさと悔しさで顔が真っ赤になった

蓮斗君は驚いたように私を見ていた