君と半分

やっぱりケンに謝ろうと、その晩、おいらの新品のノートを手に走った。


だけどその夜はやっぱり、

『話したくない』


その一言だった。


『ケン、ごめんってば…』


謝り方が下手で、こんな言い方しか出来なくて、ケンはまるで許してくれそうにない。


『知らない』


『…何だよ、せっかく新しいノート持ってきたのにいらんの!?』



『…いらないよ、そんなの』


そう言われて、おらはつい何か言わなきゃと、


『…たかがノートだろ?なんや、そない怒る事かい!』


火に油を注ぐような発言をした。


『なんちや!それが本音やんな?!』



『…あぁそうや?』



『お前なんかとは一生遊ばん…!』



ドアを閉められて、おいらはまた全力で家まで走った。