無気力オオカミくんは、私だけに夢中。



心底嫌そうな顔を見せられて、ああこの人、ほんとに性格悪いんだなって実感する。

でもその裏では、近すぎる距離にまだドキドキしている自分もいて。



「西野くんが悪いんじゃん」


そんな自分を誤魔化すような冷たい声が出た。



「はあ?俺が?」

「そもそも、西野くんが不特定多数の女の子と遊んだりしなければ、そんな面倒なことにならないじゃん……って話だよ」



ああ、言ってしまった。
心の中で青ざめる。



相手は、“性格最悪”な西野遥日。

キレて、ボロクソ言い返してくるに違いない……。

──────と思ったのに。




「へえ。俺の機嫌とらないなんて珍しー」



そう言って、にやりと口角をあげる。
ちょっと悪そうな笑顔も、悔しいくらい完璧。


そして、ほんの少しの期待が芽生える。


これってもしかして『おもしれぇー女』って気に入られたりするパターンじゃない……?って。