ゆるく抱きしめられた。
なにがなんだかわからない。西野に密着すると、いつも思考回路が飛んでしまう。
「俺、今から悪いことするから」
「……悪いこと?」
「うん。利奈が絶対怒ること」
「っえ、なにそれ」
私が怒るってわかるのにやるの?
それっていじめじゃん……。
「怒っていいけど、終わるまで抵抗しないで。それと、目閉じてて」
たくさん疑問を持ちながらも、言うとおりにした。私の体は、西野に逆らえないようにできてるらしい。
「あと、泣かせたらごめん」
「っえ、」
「今からすること、ただの嫌がらせだから。
先に謝っとく」