ここが西野の家……。
西野が、ベランダはあっちとか、飲み物はウーロン茶ででいいかとか、言ってるけど、緊張のあまりロボットみたいにコクコク頷くことしかできなくて。
「……利奈、聞いてんの?」
「はっ、はい……もちろん」
「さっきも言ったけど、ベランダそっちね」
「あ、うん。……ぎゃっ」
ヘンな声を上げてしまったのは、床にあった雑誌みたいな物を踏んでしまって、体が後ろにバランスを崩したから。
とっさに、前にあった西野の腕をつかんでしまう。
──────まずいと思っても、もう遅くて。
西野から手を離す暇もなく、床に背中がぶち当たった。
幸い、カーペットの上だったから、頭を強く打たずに済んだわけだけど……。
「うう、西野ごめんなさ……」
顔を上げると、至近距離に西野の顔。
こんな漫画みたいな展開、うそだと思うけど、急上昇する体温が現実だっていやでも教えてくれる。



