「遥日ー、腹減らね?」

「えー別に。けど普通に疲れた。7限はだるい」

「全部マジメに受けてんのすげぇわ。お前、教室いるときはほんと寝ねぇよな」

「ん。マナーってやつ」



これは、なんとも話しかけづらい。

西野の周りに人壁ができて、もはや西野が見えない。

わいわい、ガヤガヤ。




「お前ら、今日なんの気分?」

「ラーメン」

「ボウリング」

「カラオケ」

「カラオケこの前行った」

「じゃ、ボーリング帰りのラーメン。最下位だったヤツはアイスおごりで」

「決まり」



よっしゃーと声が上がる。

私は、冷や汗がたらり。


え、待って西野。

行かない……よね?

まさか、私との約束忘れて──────。




「西野、スマホばっか見んな。また女かよ」

「違う違う。バイト先」

「バイト先?なんて用件?」

「今日人足りなくなったから、臨時で入れって」

「はあ?行くのかよ。このクソ真面目」

「悪い。そーゆーことだから、また明日」