何言ってるの!と突っ込みかけたとき、

ふと隣に影が落ちてきた。



「そこ、俺の席なんだけど」



けだるくて、ちょっと冷たい声。


ドキッと心臓が跳ね上がる。




「わっ西野くん。……
ごめんね?ちょっと話しこんじゃって」



えっ

──────西野?


うん、間違いなく、今のは西野の声だけど。



こんな朝から来ることって、今まであった?



焦ってたら、鈴ちゃんが「じゃあね」と耳打ちしてきて……。



……いや、「じゃあね」じゃないよ。

行かないで!?



心の叫びは届くことなく、後ろの席に2人残されてしまった。


チーン。


なにこの沈んだ空気。いや、沈んでるのは私だけかもしれないけど。


でも、リボンを取り返すなら、今しかない……。