「部活抜けなくて大丈夫だから……帰ったら話聞いてね、ぜったい」
『わかった。部活終わったらすぐ帰る。お前も気をつけて帰れよ』
「うん。……うぅ、陸人の部屋行ってもいい……?」
『そうとう弱ってんな。 いーよ、気が済むまで聞いてやるから』
「うぐ……陸人ありがとぉ、大好ぎぃ」
あんまり長く話してたら部活の邪魔になると思って、自分から通話を切った。
とりあえず泣きやまないと。
駅のトイレで顔でも洗って……。
「利奈」
びくっと肩があがる。
……え。
また、西野の声がしたんたけど。
「おい、菊本利奈」
「ぐぇっ」
突然、後ろから引っぱられた。
制服のえりのとこ。
バランスを崩した私の体を誰かが支える。
「耳聞こえてねーの?」
「……な」
「ん?」
「に……」
なんで、西野が。
「なに、利奈」
「……な、……なにぬねの」
「は?」



