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早く家に帰りたい。
涙をこらえようとしたら鼻水が出てきて、それをすする音に、さらなる虚しさが押し寄せてくる。
もうやだもうやだ。
今の私、絶対ブサイクな顔してる。
帰って誰かに話を聞いてほしい。
なぐさめてほしい。
こういうことを話せるのは2人しかいない。
鈴ちゃんか陸人。
まずは鈴ちゃんの連絡先を開いて通話ボタンをタップしたけど、何コールしても出る気配がなし。
彼氏かな、バイトかな。
次は陸人。
この時間は部活中だけど……わかってても掛けずにはいられなかった。
1コール、2コール……。
『……なに?利奈』
「うえ?……陸人、部活中じゃ…ないの?」
『今ミーティング終わったとこ。今から練習戻るけど……どうした?その鼻声。泣いてんの?』
まずい。
知った人の声を聞いたら、安心して涙腺が壊れちゃう。



