「うわびっくりした。利奈へーき?」

「んん、平気じゃない。お尻打った……」



私の前にしゃがみこんだ西野。
目線は同じなのに、西野が見てるのは私の目じゃなくて……。



「ちょ、どこ見てるのっ?」



慌てて太ももの間にスカートを入れこんで、西野を睨みつける。




「そーいう下着嫌いじゃないよ。黒とかより、俺はそっちのが好き」

「に、西野の好みとかしらないし……。見ないでよヘンタイ」

「下着見られただけなのに顔真っ赤」



ふ、と笑われてさらに顔が熱くなった。

下着見られた“だけ”ってなに?

私にとっては非常に由々しき事態だよ。




「笑ってないで立ちあがるの助けてよ」

「助けてほしーの?」



ニヤッて笑うのむかつく。



「もういいよ、自力で立つ
──────って、ぎゃっ!?」

「うわ。色気のない声」

「だっていきなり持ち上げられるから……」



視界いっぱいに西野の制服が映りこんだ。
しつこくない甘い匂いが心拍数をいっきにあげる。